呼吸器疾患を専門に扱う病院ではどこの施設でも入院で最も多いのは肺がんの患者さんです。10年以上前は喘息の入院も多かったのですが、吸入ステロイドの普及とともに劇的に減少しました。
 肺がんの入院が多い理由の1つは早期発見が難しい疾患だからです。見つかった時にはすでに進行していて手術不能で抗がん剤治療や放射線治療で長期の入院が必要となる場合が多いのです。肺がんは限局型小細胞肺がんといわれる抗がん剤や放射線治療がよく効くタイプのもの以外は未だ手術以外に根治は困難で死亡率の高い疾患です。とはいえ、他のがんと同様に早期発見、早期治療により完治しうる疾患です。今年の4月から厚労省の指導の下で40才以上の中高年者を対象に特定健診が始まりますがメタボリックシンドロームの予防だけでなくがんの早期発見、早期治療にもぜひ力を入れて欲しいものです。 (H20.2.13)